つかのまの忘れがたい日々

かみやまくんがいる日常

千秋楽を迎えて

ほんとうのさいわいは一体なんだろう。
 
 
徹くんにとってのほんとうのさいわいはカラフト伯父さんに会って全てぶちまけることだったのか。
それとも死んだずーっと後にほんとうのさいわいに辿り着けるのか。
仁美に対して心を開いていたのはカラフト伯父さんの被害者であるという共通点だけなのか。
6場で仁美にざっくばらんに接するようになったのはカラフト伯父さんの子どもじゃなかったからか又は真に心を開いたということなのか。
カラフト伯父さんは本当に徹へさいわいをはこんでくれるのか。
徹くんの独白は震災で亡くなった人々との交信で、吾郎とちづこの約束はちづことの交信だったのか。
仁美がカンパネルラで吾郎と徹がジョバンニだったのか、仁美のお腹の子がカンパネルラなのか。
 
 

 

伊野尾慧の初主演舞台千秋楽を迎えた。
 
 
初舞台
初主演
初ストレートプレイ
 
初が3つもつく上に3人芝居である。
そして甘ふわな新曲とドラマ、アルバムのレコーディング、ツアーの準備、ワク学の準備、24時間TVの準備、その他取材。
 
想像するだけで嫌になるような仕事量で大変なプレッシャーだったことは感じられる。
 
 
東京公演は日々の公演で白熱し、東京楽で最高潮を迎えたようで絶賛の嵐だった。
 
観た友人にアドバイスを求めるとハンカチを必ず持っていけ!コンタクトじゃなくメガネで行け!化粧は落ちる!というありがたいお言葉をいただいた。
 
 
そして迎えた千秋楽。
 
昼公演に間に合うよう4時に起きて始発の新幹線に乗り込んだ。時間がギリギリで髪の毛がボサボサなのはご愛嬌だ。
 
新幹線でビューンと6時間、大阪に着きドラマシティへと向かった。
 
 
正直なところ5/24昼公演はそんな絶賛されるほどの舞台か?という印象だった。
伊野尾慧がいくら可愛いからってそんなべた褒めして甘やかしていいのか、とも思った。それくらい初見でもわかるセリフの間違えが多く、独白でうずくまる徹よりもそのうなじに目がいった。
 
ただ、独白前半の絞り出すような「カラフト伯父さん、助けてください」はとてもグッときた。
 
 
ジャニーズの舞台は初めてだったのでまぁ、こんなもんかと用意したハンカチをかばんの奥にしまった。
 
 
そして夜公演、後ろの方だったため双眼鏡を用意した。
 
そして公演が始まると驚くほど落ち着いた演技になっていた。
仁美と徹が恋人繋ぎをするシーンでは徹の指の長さと白さが際立っていた。
ポジティブ自己破産を嘲る徹には13歳くらいの伊野尾慧の顔だった。
呑んだくれたカラフト伯父さんを笑った時、口は笑っているのに眉毛が下がって心底絶望した表情だった。
独白では涙と汗でぐっちゃぐちゃの伊野尾慧は徹だった。
独白の叫びは叫んでいるのに届かなくて、聞こえているのに伝わらない。そんな叫びだった。
 
 
 
 
 
そして会場は笑いや涙に溢れていた。
笑い声や、驚き、かわいい…の独り言が大きい客席、独白でこの世の悲しみが全て降りかかったかのように啜り泣く客席、伊野尾慧の挨拶で伊野尾慧より泣きじゃくって升さんに笑われる客席
 
 
 
 
 
その客席の1人になれてよかった。
 
 
伊野尾慧がおしゃれヘアカタログの表紙を飾った日、「伊野尾慧がHey! Say! JUMPの強みになった」という言葉をみた。
まるでいままで強みじゃなかったみたいな言い草にムッとした。
 
これからも、最終兵器が最終兵器のままでいられるよう私は何ができるのだろう。