つかのまの忘れがたい日々

かみやまくんがいる日常

付き合いたいキャラクターBest3


突然寒くなった。
だからか出かける意欲が無くなったらしい先輩にお使いを頼まれた。
今日は天気予報を見ていたので傘を持っていた。消費税が上がる前にセリアで購入した105円の赤い傘だ。
よく行く場所で大学生らしい線の細い神経質そうなアルバイトが丁寧に開いて動作確認してくれたことを覚えている。あまりにも丁寧に扱うものだから焦ったかったのだ。そんな赤い傘とかれこれ2年ほど共に雨の日を過ごしてきたと思う。

しかし、別れはいつも突然だ。

雨が雪に変わり、雪が霰に変わり、霰がぼたん雪に変わったときだった。
突然の突風にいつも私を雨風から防いでくれていた赤い傘は耐えられなかった。

そのまま、空に巻き上げられて灰色の空が赤くなった。

ふと手元を見ると肢の部分だけが残っていた。

別れはいつも突然だ。

さようならを言う暇もなく増税前に購入した105円の赤い傘はあっさりと折れて千切れて舞った。

そのあと、ぼたん雪はまた霰となり、霰は雨となり、ほんの30分あまりの外出で濡れ鼠になってしまった。

この悲しさを誰に話せばいいのか、こんなくだらないことを話せる友人は居ないし、こんなくだらないことで家族に連絡するのは憚れる。彼氏、彼氏ならくだらなさに甘えても構わないのではないだろうか。こんなとき、彼氏がいればいいのに。

そんな希望を込めて書き上げた。
付き合いたいキャラクターBest3はこいつらだ!




第3位 成瀬慎司 Nのために

小説版の成瀬慎司はあまりピンと来なかった。

少しネタバレになるが事件が起こった日、杉下は安藤のことを庇ったし、ドラマ版の成瀬くんはシャーペン4回の「たすけて」に薄っすらと気がついていたが小説の成瀬くんは好きな女の子に言われたい4文字で想像して「だいすき」なんて仮定してへらへらしてた印象しかない。

それなのに杉下が最終的に成瀬くんを選んだのは腑に落ちなかった。

その感情をひっくり返したのはドラマ窪田正孝さん演じる成瀬くんだ。

ひたすら一途にひたむきに、声に出すことなくただ杉下のために考えて行動する。
それも杉下ためにすることで杉下に望まれてすることではないので押し付けがましくない。


成瀬「一緒に、帰らん?
…………ただ、一緒におらん?」


方言大勝利!!!!!!!
2014年、初めてプロポーズで言われたい言葉が出来ました。
このドラマ成瀬くんに落ちた女の子は多いのではないだろうか。

もし、成瀬くんなら濡れて帰ったとき何も言わずタオルを差し出して横にいてくれそう。
出しゃばらず恩着せがましくなくただ、そこにいるだけで嬉しい。

湊かなえさんの小説は好きだが、告白しかりNのためにしかり、映像化されるとわかりやすくなっていてつくづく自分の読解力のなさを実感する。

伊坂幸太郎作品もゴールデンスランバーアヒルと鴨のコインロッカー、陽気なギャングが世界を廻す、どれも映像から入ったほうが理解しやすかった。
グラスホッパーも期待大。





第2位 赤沢禄 清く柔く

何よりも影があるイケメン。
過去を引きずるイケメン。
本当は重っ苦しいやつなのに軽い自分を演出しちゃってるイケメン。
ヒロインと自分を重ねて苦しみ抜くイケメン。

決してこのランキングは顔ではない。映画版を観て岡田将生に恋に落ちそうになったりしてない。

表面は飄々と軽い自分を演出するが、ヒロインだけに見せる顔がある。君にしか見せられない顔がある。
ときめきポイント高まる。

めちゃくちゃなヒロインに振り回されて「めんどくせーな」とか言っちゃうのになんだかんだで面倒みちゃう赤沢さん。

もし、濡れて帰ったとき赤沢さんのマンションに行ったら「あーもーめんどくせぇ、自分で拭いて入れよ」ってタオル投げつけられそう。
くしゃみとかしようものなら「うつすなよ」って冷たくするくせに薬置いとくおかん系男子。

イケメン・影がある・面倒見がいいと好きな条件が揃っていてドンピシャ物件だったが惜しくも2位である。
なぜなら私には心に決めた彼(第1位)がいるからだ。




第1位 堂上篤 図書館戦争

有川浩作品におけるヒーローは皆魅力的である。作品を読むごとに恋に落ちる。

彼らは少年ジャンプの主人公のようにまっすぐで正義感と使命感を持っている。
しかしもういい大人なので適度な諦めや屈折した部分を持っている。
そして発するセリフが現実にはあり得ないほどゲロ甘である。

人生で一度はそんなゲロ甘セリフで天然人たらしにたらしこまれたいものだ。


そして有川浩作品の中でもとくに堂上教官が好きである。
それは堂上教官との出会いが運命的で、笠原の努力でさらに運命的な再会を果たすからだ。王道is正義。

そして本人は隠してるつもりなのに笠原への想いがだだ漏れなところも良い。


おめーその年になっても恋心の一つや二つ隠せねぇのかよ!!!
とも思うが、隠す余裕がないくらい想いが溢れていると考えるとこちらが赤面してしまう。やめろや。

そのどうしようもなく大量で恥ずかしいくらい溺愛される恋がしたいので、堂上教官に心惹かれてどうしようもないのである。


濡れて帰って風邪こじらせて肺炎になり、「後生だから無事でいろ……!!」って言われたい。
頭くしゃくしゃ撫でられたい。
乱暴に大切にされたい。

堂上教官にはただ、願望しかない。
堂上教官は永遠の憧れだ。不動のNo. 1である。





こうやって見ると全体的に情に厚く、一途で、重いキャラクターが好きなようである。
いつか現実で鬱陶しいくらい溺愛してくれるパートナーが出来ればこのランキングを封印したい。

いまはまだそんなパートナーがいないので雷が鳴り始めたこの道を傘もささずに濡れ鼠のまま、歩いていくしかないのだ。